弊所では、新規事業開発をされている企業様へのサービスとして、新規事業特許プランニングサービスを提供しています。
新規事業のテーマ選定に関しては、シナジー理論、PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)、価値連鎖、コア・コンピタンス等、幾つかの有力で有意義な経営理論があります。いずれにしても、新規事業の戦略モデルというのは、自社が現在保有している価値(強み)を利用して新分野や新市場に参入しようとするものに他なりません。
商品の面での強みを利用する新規事業
自社製品が別セグメント、別市場で優位性を持つ場合
技術の面での強みを利用する新規事業
自社技術を利用した製品が別セグメント、別市場で優位性を持つ場合
販売の面での強みを利用する新規事業
自社の販売力や販売網が別セグメント、別市場で優位性を持つ場合
購買の面での強みを利用する新規事業
自社の購買力が別セグメント、別市場で優位性を持つ場合
オペレーションの面での強みを利用する新規事業
自社の既存事業のオペレーションが別セグメント、別市場で優位性を持つ場合
資産面での強みを利用する新規事業
自社の資産が別セグメント、別市場での事業で優位性を持つ場合
このような優位性の確保を狙った事業戦略を特許の面でいかにサポートすることができるか、これが新規事業における特許戦略ということになります。
つまり、どのような強み(価値連鎖の共通性)を利用しようとしているのか。後からライバルが参入しようとした場合、同様の強みを発揮させないようにするにはどういう特許を取るべきか。新規事業における特許戦略は、これに尽きます。
従来の新規事業開発では、下の図に示すように、事業の企画段階での特許出願が非常に少ないという問題があります。
企画段階即ち事業計画の策定段階で当然に出しておくべき特許(企画部門の特許出願ノルマ)があるのに、それらが出願されず、第1号の製品が出る前に製品の細かな特徴点を特許出願したり、改良品の細かな特徴点を特許出願するのに終始するという傾向が見られます。
外食産業の会社が農業に進出する新規事業を例に考えてみましょう。
例えばファミレスをチェーン展開している会社が農業法人を設立して農業に進出する場合、どういう特許戦略があり得るのでしょうか。これは、既存の競合他社(農業法人)に対してどのような優位性を持って参入するのか、ということを考えることに他なりません。
ファミレスをチェーン展開している会社は、自社生産した野菜や果物をネット等で販売する他、当然のことながら、自分のところのお店でも使うということになります。これは、お店がスーパーの試食コーナー的な機能を持つことを意味します。となると、次にくるのは、お店で野菜や果物を実際に販売することです。つまり、ファミレスで自社生産の野菜や果物を使ったメニューを展開するとともにその野菜や果物を店先で売るというビジネスモデルがあり得ます。
農協のような既存の農業法人はこのようなビジネスモデルは展開できませんので、大きな優位性をもたらすと予測できます。しかし、この会社の成功を見て、ファミレスを展開している他の会社が後発参入し、同様のビジネスモデルを展開すると、その会社との関係では優位性は発揮できません。
こう考えれば、特許戦略をどうすべきか、自ずと答えが出る筈です。「ファミレスで自社生産の野菜や果物を使ったメニューを展開するとともにその野菜や果物を店先で売る」というビジネスモデルを守る特許を出願して取るべし、ということになります。「フロア担当者が接客しながら野菜を販売するに適した構造のレストラン」という内容や、「飲食の分も合わせたレジ精算がし易いシステム」という内容について特許を出していくことが考えられます。
このように、ある新規事業を企画する際には、その新規事業においてどのような競争優位を確保し得るのかを予測し、その競争優位を守るにはどのような点について特許を取るべきかを考えなければなりません。
このように、新規事業の企画段階で特許戦略について検討し、どのような特許を取っていけば優位性確保につながるかのアドバイスをするのが、新規事業特許プラニングサービスです。
新規事業における特許戦略を考える場合、空間的視野、時間的視野を広く持つ必要があります。
空間的視野とは、「買い手の買い手」というように川上から川下まで事業を広く見る視野、代替品や補完品といった業界の他のプレーヤーを広く見る視野のことです。
時間的視野の広さとは、20年という特許期間を見据えた視野の他、特許審査に要する期間における市場の変化を予測するという重要な視野な広さもあります。
市場変化に対応する特許戦略として、
a.変化を選ぶ |
の三つの戦略があり得ます。
また、上記以外の留意点として、
・リードタイムが長い事業開発における「浮上点の予測」 |
があります。
これらの詳細については、拙著「すべてはフロントランナーの成功のために~新しいビジネスモデルへの戦略とヒント~」(2012年、税務経理協会発行)をご参照下さい。
すべてはフロントランナーの成功のために: 新しいビジネスモデルへの戦略とヒント 保立 浩一 |
具体的案件については、知財コンサルティングサービスをご利用下さい。
新規事業特許プランニングサービス
新規事業特許プランニングは、新規事業の企画段階で特許戦略について検討し、どのような特許を取っていけば優位性確保につながるかのアドバイスをするサービスです。
1.サービスお問い合わせ
2.サービス内容のご説明
コンフリクトチェック 注1)
3.正式お申し込み(書面)
(守秘義務契約を含む) 注2)
4.新規事業計画のヒヤリング
市場予測及び既存事業との関連性についての検討
5.特許出願プランニングの実施
プランニングレポートのご提供 注3)
(プランニングレポートには、新規事業において貴社が獲得し得る競争優位性及びその競争優位性を守るための特許出願のポイントについての見解が含まれます。)
注1)同一業種で同一の新規事業に関して既に他社様にサービスを提供している場合、コンフリクトの問題から、サービスのご提供ができない場合があります。何卒ご了承下さい。
注2)弁理士が業務を行いますので、弁理士法上の守秘義務がございますが、万全を期すため、守秘義務契約を締結させて頂いております。
注3)口頭で見解を伝えるだけで良い場合、レポート作成は致しません。
ミーティング料金 注4)
(弊所開催の場合) ¥24,000-/時間
(貴社ご訪問の場合) ¥30,000~¥140,000-位/回(距離、時間により異なる)
レポート作成料金 注5) ¥80,000~¥500,000-位/件
注4)申し込み頂いた新規事業テーマについて特許出願の依頼がされた場合、依頼に際しての打ち合わせとなりますので、ミーティング料金に含まれる¥24,000-/時間を特許出願手数料から減額します(特許出願について弊所料金を適用させて頂いた場合)。
注5)レポート作成料金は、新規事業の内容やレポートのボリュームにより異なります。ミーティング後、お見積りし、ご了解を頂いた上で提供致します。
知財コンサルティングサービス
特許や商標といった知的財産全般のテーマについて、ご相談を承っております。
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